借りては返し、返しては借りてを繰り返している人間は「美味しいお客」

増資のお知らせは消費者金融の方から来ました。
自転車操業を繰り返しているとは言っても、表面上だけで見れば期日までにはしっかりと返済を行っている訳です。しかも時代もありました。

近年では総量規制もありますから、このような事は不可能なのですが、また緩和されるような話も出ていますから要注意です。
とにかく当時はまだまだ消費者金融を取り巻く環境は物凄く甘いものでしたので簡単に増額が出来てしまっていたのでしょう。

増資のお知らせは一社でしたが

ですがこの時点で月々の返済が20,000円もあったのです。
それが更に10万円借りるとなると、凡そ5,000円支払い額が高まるのです。
当時のアルバイト生活で、これは本当にどうにもならない額になるのではないかとの思いがあったのですが、それでも結局増資分もキャッシングしてしまいました。

背に腹は変えられない…ではないですが、やはり使えるお金は多い方が安心感があるんです。
だからそのおかげでついつい軽い気持ちで増資分をキャッシングしてしまったのです。

この時は一度に大金をキャッシングするのではなく、細かくキャッシングしていったのですが、このような手法であっても結局返済するお金は変わらないのですから、借金の返済額は増えました。

余談ですが、この消費者金融からはすぐに増資のお知らせが来ました。
今思えばですが、業者からすれば自分のように借りては返し、返しては借りてを繰り返している人間は「美味しいお客」と思っていたのでしょう。

今であればそのように思えるのですが、当時はそのような事も考える事が出来ず、ただただ時間と共に借金が増えていきました。

返済額分をすぐ借りると言う生活に、キャッシング増枠のワナ

キャッシング枠20万円が2社ですから、二社からの合計で40万円の借入。
この時点で月々の支払い総額はおよそ20,000円でした。
さらにはここから健康保険、年金、携帯電話料金。合計するとこれだけで月々60,000円弱くらいの支払いだったんですね。

しかもこのキャッシング枠のお金があるという事で、アルバイトそのものもあまり入れないようになっちゃっていたんですよね。だから月々80,000円くらいの稼ぎだったんですよ。

だからもう、払う物を払ったら自分のお金なんてなくなっちゃうような状況になっちゃっていたんです。

返した分はまた借りる自転車操業へ

こうなると悲壮感も出てくるというか、お金が無いから「何かしよう」って気持ちにもならず。
しかも一度減らしたおかげで、アルバイト先が新しい人を雇ってしまったおかげで「もっと働きたい」とも言い出せず、本当にどうすれば良いのか解らない状況となってしまっていたのです。

でもここで悪い閃きが出てしまったんです。
そうですいわゆる「自転車操業」です。返した分は借りる事が出来るのです。

これのおかげで、使えるお金は月々の返済額分は確保する事が出来るようになったのです。
厳密に言えば自分のお金ではないのですが、一ヶ月働いていても何も出来ないとなるとそれはそれでおかしな状況となってしまいますので、どうしてもお金を…との事で、自転車操業を始めるようになってしまっていたのです。

このような生活が続いていると、とある事が起きるんですよね。
そうです、増額知らせです。これは本当に複雑でしたが…。

キャッシングの限度額の増額という危険なワナ

月々僅かではありますが、一応は赤字にならないようしっかりと返済していたのですが、そんな自分の元にとある知らせが来ました。

キャッシングの限度枠増額の知らせが来ました

それは「増額知らせ」です。それまで10万円だった限度枠を20万円にするというのです。これは提携会社だからなのか、ほぼ両社から同時に来ました。

これのおかげで、また「悪い癖」が出てしまいました。それは「使えるお金」という錯覚です。
増枠は、客観的に考えたら「借金出来る額が増えますよ」という通知でしかないのですが、その時の自分はやはり「使えるお金が増えた」という感覚となってしまったのです。

ましてやそれまでギリギリの生活を送り、自分で使えるお金がほとんどない生活を送っていた自分にとって、いきなり20万円も使えるお金が増えてしまったのですから、正気を失うというと変な言い方ですが、就職しようという意欲もなえてしまいましたし、「これでいろいろと使おう」という気持ちになってしまうのです。

それこそ、本当の意味で「自分のお金」であれば使わないような物まで、気が大きくなっているおかげでついつい購入したり。

また、それまではお金がないからという事で断っていた飲み会のお誘いなんかもキャッシングして参加したほど。

それまで抑圧されていたおかげで、お金の使い方はかなり荒く、おかげで増枠してもらった20万円も2社ともあっという間に使ってしまったのです。

この時点で2社からの合計で40万円の借金になったわけですね。
本当に無駄なものばかりを購入してしまったのですが、自分としてもそこまで大きな事とは考えていませんでした。

長らく借金生活に悩まされる要因とは

フリーター生活の中で

就職浪人してしまった事で、学生時代からのアルバイト先だけのフリーターとなってしまいました。そこで、学生時代よりはしっかりと稼ぐようにはなったんですが、それでも月々精々100,000円。

とはいえその時点での月々の支払い額は9,000円ですから、額だけ見ればさらに借金を作るような額ではないかもしれません。

ですが卒業と同時にとある出費が生まれました。それは、国民年金と健康保険です。
一応親が支払ってくれてはいたものの、もう学生ではないのだからという事で、自分自身で支払えと言われたのです。

まぁその時点で22歳になっている訳ですから、親の言う事ももっともではあるのですが、アルバイトしながら就職先を探していた当時の自分にとってはこの負担はとても大きなもので、そこから携帯電話ですとか、いろろなものを差し引かれていったのです。

借金生活に悩まされる原因

さらには奨学金の返済まで始まりました。
この状況を打破するためには、給与を上げるしかなかったのですが、アルバイト先も今のシフトで結構目一杯だと。
就職活動をと思ってもなかなか結果が出ず。自分で使えるお金はそこそこの額ではありましたが、それでもコツコツとやりくりしていたので、借金そのものは減っていっていました。

ですが、そんな時、まさに「悪魔の誘惑」ではないですが、今後長らく借金生活に悩まされる事になる大きな大きな出来事が起きました。
自分で客観的に考えても、この時の自分の行動・考え方が後々長らく借金で困る事になる直接の要因だったのではないかと思っています。
その内容については明日お話しします。

収入の予定を甘く見積もった結果借金返済に問題が

いろいろと重なりました

カードを2つ持ったこの時点で二社から借金をしている、いわゆる「多重債務者」だったのですが、自分自身にはそのような感覚など一切ありませんでした。月々の返済額はハウスカードが5,000円、消費者金融が4,000円。

月々一応数万円程度のアルバイトの収入があった身でしたから、決して大きな負担という事にはなりませんでした。

就職活動中に借金をしてしまいました

彼女と別れた事もあり、特にお金を使わなければならない事もなくなったおかげで、キャッシングに関しては一段落したのですが、そこで今度は違った形でお金を使わなければならない出来事が起きてしまいました。
それは就職活動です。

就職活動にもお金がかかるのは言うまでもありませんが、何が厄介かと言えば、就職活動のためにはアルバイトを休まなければならないという点です。

会社説明会等に足を運ぶだけではなく、エントリーシートの作成等まで行うとなると、とてもアルバイトに顔を出している時間などなく、就職活動に精を出さなければならなくなってしまったのです。

ですが、そこでふとキャッシングの事を思い出したのです。一時期双方ともに限度枠一杯程度まで行っていたのですが、返済が進んでいて、双方共に30,000円ずつ使えるくらいにはなっていたのです。

そこで思ってしまったのです。「これを就職活動に充填しよう」と。ですがこれが結果的には大失敗というか、大きな判断ミスとなりました。

就職活動を頑張ったものの、結局就職する事が出来なかったのです。
不景気に負け、新卒就職する事が出来なかったのです。

キャッシングは借金、自分で使えるお金と勘違いしないこと。

キャッシングの残高は借金ではなく自分の使えるお金という勘違い

これが今思えばですが、大きな誤算の始まりでした。
キャッシングはあくまでも借金です。誰のお金かと言えば業者のお金です。決して自分のお金ではないのですが、借りる事が出来るという事で、「自分のお金」だと錯覚してしまったのです。

キャッシングの残りが10万円というのは、本来であれば「借りる事が出来る額」でしかないのですが、「使えるお金」といったように錯覚してしまっていたのです。

借金しているのに贅沢をして見栄を張る

それまで彼女とは身の丈にあったデートをしていたのですが、10万円の「財源」を確保した事によって、デートも徐々にですが豪華なものになっていきました。

それまでは学生カップルとして、節約したり、買える物だけを買っていたのですが、ついつい彼女の前でいい格好をしたいという事で、ついつい大きな買い物をしてあげたりですとか、お店にしてもファーストフードではなくてちょっと豪華なお店にしたりですとか、お金を手にした事でちょっと見栄を張ってしまったのです。

結局それは借金でしかないのですが、その時の自分は「自分で使えるお金」という錯覚のおかげで、キャッシングの残高が「あとこれだけ」といった思いとなってしまっていたのです。

本来であれば、借入残高は「返さなえればならない額」でしかないのですが、自分の感覚では「使える残りのお金」となってしまっていたのです。

このメンタリティは今思えば本当におかしなものしかないのですが、当時の自分にとっては、何ら疑問を抱くものではありませんでした。

2枚目のカードを作らせる業者側の計算を知る事

業者側の計算

弟に聞いて作ったカードですが、このハウスカードは、なぜか返済場所が違う業者の店頭でのものになっていました。
いわゆる姉妹業者だったようですが、返済はそこでの店頭支払いだったのです。

正直、面倒ではありましたけど、乗り換え駅でしたし、何より借りた以上は返済しなければならないものですから、返済生活を送っていたんです。
まぁこれだけなら特に問題のない生活ではあるんですけど、そこで「二枚目」のカードを作る事になってしまったのです。

ハウスカードは発行元ではクレジットカードとしても作る事が出来るものの、基本的にはお店限定のものでした。ですがそこは、いわゆるキャッシングのカードです。

借金させて得をするのは誰か考えていませんでした

なぜこのカードを作る事になってしまったのかと言えば、返済する際、いつもこのカードのお誘いがあったのです。

その際、いつも「すぐに作れる」といった事を言われていたんです。
いつもは一応断っていたんですけど、その時は試験のおかげでアルバイトにもあまり入れなかった事もあって、何か欲しいものがあるという訳ではなかったものの、「とりあえず」という気持ちでその消費者金融のカードを作る事になったのです。

審査も本当に皆無。まだまだ甘い時代でしたので、ほとんどフリーパスでキャッシングの審査に通過する事になってしまったのです。

限度額は10万円でしたが、それでも学生の自分にとっては大金です。
更には「いざとなれば自分はこの10万円を使う事が出来る」という安心感が芽生えてしまったのです。

後々、こういった借金する人間の心理をついた業者の手口を知ることになります。